60代の仕事探しのリアル ハローワーク通う65歳が語る現実と戦略

本記事の作成には一部AIを使用しています。内容は運営者が確認・編集のうえ掲載しています。
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※本記事掲載の画像はイメージです。実際と異なることがあります。

※本記事掲載の画像はイメージです。実際と異なることがあります。

はじめに

深夜23時、求人サイトのページを開いては、また閉じる。ハローワークの建物の前で立ち止まり、結局その日も入らずに帰る。スマホに届いた不採用通知を見て、しばらく画面を伏せたまま動けなくなる。そんな夜を過ごしている方の隣に、私もいます。

こんにちは、ヒロです。65歳。元ITエンジニア。現在進行形でハローワークに通っている、求職活動中の60代です。世の中には60代向けの仕事記事があふれています。けれど、その多くは大手メディアの取材記事か、人材会社のPR記事か、成功した経営者・コンサルが書く理想論。「普通の60代が、現実の労働市場で何を見て、何を選び、何を諦めたか」を、当事者として書ける書き手は、ほとんどいません。

この記事では、奇跡的に派遣に入れた話、警備員の説明会で合格したけれど体力的に断った話、面接にすらたどり着けなかった話、特定理由離職者として認定された朝の安堵——そういう、誇張も自慢もない、淡々とした景色を、同じ場所に立った先輩として共有します。介護の話とも地続きですので、もし親御さんのことが気にかかっている方は、こちらのも合わせてどうぞ

読み終わる頃には、「自分の市場価値が落ちた」のではなく「市場の構造が変わった」という事実認識に、少しだけ近づけるはずです。

【はじめに読んで下さい】(免責事項)

【免責事項】

1. 記事の内容について
本記事は、筆者(ヒロ)の実体験や調査をベースに構成していますが、読者の皆様に分かりやすく解説するため、また筆者の家族・親族・関係者のプライバシーを保護するため、地名・施設名・金額・時期・人物の細部などを一部ぼかしたり、一般的な事例を織り交ぜたりしています。すべての記述が筆者の個人的な事実そのままとは限りません。

2. 情報の正確性について
掲載している情報(制度・手続き・商品・サービス内容、IT機器の仕様や設定手順など)は、執筆時点での正確性を期しておりますが、その後の法改正・制度変更・アップデート等により、最新性や完全性を保証するものではありません。

3. 健康・介護・成年後見に関する情報について
介護保険サービスの利用条件、健康保険の給付、医療費の自己負担額、要介護認定、成年後見制度の運用などは、お住まいの自治体、ご本人の要介護度、世帯の所得状況等によって大きく異なります。実際のご判断にあたっては、管轄の市区町村(介護保険窓口)、地域包括支援センター、主治医、ケアマネジャー、家庭裁判所、弁護士・司法書士等の専門家にご自身の状況をご相談ください。

4. 税金・年金・相続等の手続きについて
税金や社会保険料の計算、年金、各種公的手続き、相続手続き(遺産分割・相続税申告・不動産や預貯金の名義変更等)は、お住まいの自治体やご家族の状況によって大きく異なります。実際の手続きにあたっては、管轄の市区町村役場、税務署、年金事務所、法務局、ハローワーク等の窓口、または税理士・社会保険労務士・司法書士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談の上、進めていただけますようお願いいたします。

5. お金・資産運用に関する情報について
退職金の運用、預貯金の管理、保険の見直し、固定費の節約等のお金に関する情報は、ご自身のライフプランや資産状況、リスク許容度によって適切な選択が大きく異なります。実際の判断にあたっては、金融機関の窓口や公認ファイナンシャルプランナー(CFP/AFP)等の専門家にご相談の上、ご自身の判断と責任において進めてください。なお、本記事は特定の金融商品への投資を勧誘・推奨するものではありません。

6. 外部リンク・アフィリエイトについて
当ブログには、外部サイトへのリンクやアフィリエイトプログラムによる商品リンクが含まれる場合があります。リンク先のサイトで提供される情報・サービス・商品等について、筆者は一切の責任を負いません。

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目次

1. 私の現在地

1. 私の現在地

1.1 65歳、ハローワーク通い、求職活動中

1.1 65歳、ハローワーク通い、求職活動中

まずは、自己紹介を兼ねて、私の現在地を率直に書きます。情報の前に、書き手の立ち位置をはっきりさせておきたいんですね。

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項目現在地
年齢65歳
直近の職業派遣エンジニア(60代前半まで)
離職理由体調を崩し、医師の助言で休養
現在の状況失業手当を受給しながら求職活動中
使っている窓口ハローワーク(求人検索・職業相談・セミナー)
並行して動かしている柱ブログ立ち上げ(このサイトもその一部)

こうして表にまとめると簡潔に見えますが、ここに至るまでの数年は、決して平坦ではありませんでした。父を見送った翌々年に母に介護が必要な症状が出始め、派遣の契約更新を綱渡りでつなぎながら、自分自身も体調を崩して休養に入る——そんな数年だったんです。

1.2 これは「成功者の体験記」ではありません

1.2 これは「成功者の体験記」ではありません

世の中の60代向け仕事記事は、ほとんどが成功事例です。「定年後にコンサルとして独立して年収倍増」「YouTube登録者10万人で悠々自適」——立派ですが、私のような普通の元会社員からすると、少し遠い世界の話に感じられました。

この記事はそうではありません。奇跡的に派遣会社に拾ってもらえた話、警備員の説明会で合格したのに体力的に判断して断った話、職業相談で「年齢的にIT業界は奇跡的だよ」と言われた話——率直な現在地から始めます。中間層の60代を代弁するつもりで書きます。

50代までの私と、60代になってからの私とでは、見える景色がまるで違いました。「景色が変わった」——この言葉が、これからお伝えする全ての話の通奏低音です。

2. 全勝期だった50代までの私

2. 全勝期だった50代までの私

2.1 転職や派遣の面接で、ほぼ全勝だった頃

2.1 転職や派遣の面接で、ほぼ全勝だった頃

少し、過去の話をさせてください。後から知ったことですが、面接官に好評価をもらえた理由は、経歴や担当できる仕事についての説明が「自信満々に見えた」からだったそうです。これは、自分でも自負があります。「過去はこうしてきました、今回も任せてください」——この説明を、自信を持ってできた。

なぜそんな説明ができたかというと、長年のIT業界の経験があり、どんな質問にも自信を持って答えられたからです。技術トレンドが変わっても、業務系システム開発の本質は大きく変わりません。要件定義、設計、実装、テスト、保守——どの工程の質問にも、現場感のある答えが返せた。これが面接で効きました。

50代までは、転職活動でも派遣登録の面談でも、ほぼ全勝でした。書類で落ちることはほとんどなく、面接まで行けばたいてい合格通知が来た。「自分はまだ需要がある」という感覚が、確かにあったんですね。

2.2 「市場価値が落ちた」のではない、ということ

2.2 「市場価値が落ちた」のではない、ということ

ここが本記事の核心の入口です。スキルは落ちていません。むしろ経験は、年々積み上がっています。それなのに、60代になると景色が変わる。これは「自分の問題」ではなく「労働市場の構造の問題」だと、後で気づくことになります。

不採用通知が続いた時、誰でも「自分の何かが悪いのではないか」と思います。私もそうでした。でも、不採用は人格否定ではありません。市場の入口の形が変わっただけです。この区別がつくと、次の動き方が見えてきます。

3. 60代で訪れた、最初の景色の変化

3. 60代で訪れた、最初の景色の変化

3.1 「年齢不問」の求人に違和感を感じ始めた頃

3.1 「年齢不問」の求人に違和感を感じ始めた頃

60代になって求人を探すようになると、それまで気づかなかった現実が、いくつも見えてきました。

ひとつめ。応募して面接まで進んでも、「仕事があって募集している」のではなく、「人が集まったら、それから仕事を探す」というスタンスの会社が、いくつもあったんです。だから、内定が出ても「すぐ入社」にはなりません。「決まったらまたご連絡します」と言われたまま、連絡が来ないことも、何度かありました。最初は「忘れているのかな」と思って自分から連絡してみたのですが、返ってきたのは曖昧な言葉でした。

ふたつめ。「年齢不問」とある求人なのに、面接や入社説明会に行くと、明らかに若い新人向けの説明だった、ということがありました。仕事の内容、研修制度、想定キャリアパス——どれも20代を前提にしています。「年齢不問」の文字は、法律上書かなければいけないだけだったんだな、と気づくのに時間はかかりませんでした。

ここで誤解しないでいただきたいのは、私はどの会社も批判していない、ということです。これは特定の会社の問題ではなく、全体としてそういう傾向がある、という話なんですね。読者の皆さんが同じパターンに気づくための情報提供として、淡々と書いています。

3.2 警備員の説明会と、自分の体力の現実

3.2 警備員の説明会と、自分の体力の現実

ある日、IT職での仕事がなかなか決まらず、警備(自動車誘導)の仕事の説明会を受けたことがあります。光る棒を振って車を誘導する、あの仕事です。説明を聞いて、応募して、合格通知を受け取りました

ところが、説明を聞きながら、ある不安が頭をよぎっていたんです。「これは、自分の体力でできる仕事だろうか」。立ちっぱなし、屋外、天候に左右される、夜勤もある——20代の自分なら何の問題もなかったはずの仕事が、60代の自分には重すぎると分かりました。

合格していたにもかかわらず、私はお断りの連絡を入れました。これは警備の仕事を否定する話ではありません。むしろ、世の中のインフラを支えている重要な仕事です。早朝の現場で、雨の日も真夏の炎天下も立ち続けてくださっている警備員の方々には、心から敬意があります。私にはその体力的な負荷が務まらないと判断した、ただそれだけのことです。

この時、初めて自覚したことがあります。60代の労働市場には、頭脳労働の選択肢が狭まる一方で、体力労働の壁もある——両側から挟まれている、ということを。これは、当事者になるまで分からなかった景色でした。

3.3 職業相談で言われた「奇跡的だよ」

3.3 職業相談で言われた「奇跡的だよ」

職業相談の場で、ある時、職員の方から短くこう言われたことがあります。「年齢的に、IT業界で仕事を見つけるのは奇跡的だよ」。

これは決して批判の言葉ではありません。日々、たくさんの求職者を見てきた職員さんが、現実の温度感としてそう言ってくれた、というだけのことです。私は短く頷きました。あなたは何ヶ月もこの場に通うことになるかもしれない、覚悟しておいてくださいね、と暗に教えてくれた言葉でもあります。

奇跡的」——この言葉が、この後の私の現実を方向づけることになりました。

60代って、警備のお仕事も難しいの?体力には自信あったんじゃない?

体力の壁は、誰にでも来ます、テルさん。20代の自分なら何の問題もなかった仕事が、60代の自分には重すぎる。それを認めて断る判断も、立派な戦略ですよ。無理を続けて倒れる方が、よほど取り返しがつかないですから。

4. それでも、IT職に戻れた話

4. それでも、IT職に戻れた話

4.1 「奇跡的に」派遣会社に入れた経緯

4.1 「奇跡的に」派遣会社に入れた経緯

警備員の話を断り、IT職を半ば諦めかけていた頃のことです。派遣会社のひとつから、ある日、連絡をもらいました。私の経歴と、ちょうどその時期に出ていた案件のニーズが合致した——本当に、タイミングの偶然でした。

面接を受けて、無事に登録、そしてすぐに案件にアサインされました。60代でIT職に戻れたのは、本当に運が良かったとしか言いようがありません。「年齢的に奇跡的」と言われていた現実を、自分も内側から実感した瞬間でした。

派遣で働けることになって、ようやく「自分はまだ仕事ができる」という実感を取り戻しました。これは、給与の問題ではありません。精神衛生の問題です。「働ける場所がある」ということ自体が、60代の自尊心を支える。これは、退職して初めて分かったことのひとつでした。

4.2 「奇跡」を再現する方法はあるのか

4.2 「奇跡」を再現する方法はあるのか

ここは少し冷静に書きます。「奇跡」は、再現性が低いです。タイミング、ニーズ、その時の自分の経歴——たまたま噛み合っただけ。だから読者の皆さんに、「私もこうやれば派遣に入れますよ」とは言えません。

では、何ができるか。奇跡を待つのではなく、複数の入口を持つことです。これが現実的な戦略です。

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入口特徴時間軸
ハローワーク地元求人と制度サポート、相談機能短期〜中期
派遣会社の複数登録登録者プールから声がかかる仕組み中期
シニア向け転職サイト60代対応の求人を効率的に検索短期〜中期
知人のツテ水面下の情報、選考が早い短期
ネット収入の立ち上げ自分のペース、収入は遅効性長期(5年スパン)

大事なのは、ひとつの入口を頼りにしすぎないこと。私の場合は、派遣会社の偶然の連絡が転機になりましたが、それは「複数の入口に登録していたから、確率が引き上げられていた」とも言えます。一社だけに登録して、運命を委ねるのは、博打です。

5. 60〜65歳、派遣エンジニアとして働いた数年間

5. 60〜65歳、派遣エンジニアとして働いた数年間

5.1 1ヶ月更新という働き方の緊張感

5.1 1ヶ月更新という働き方の緊張感

派遣として働き始めて、最初に感じた変化は、契約がほぼ1ヶ月更新だったことです。つまり、1ヶ月前には次の仕事が決まっていないと、契約が切れて退職になる。「次はどうだろう」という緊張感が、常に頭の片隅にありました。

正社員時代には無かった感覚です。給与の振込日が来るたびに、「来月もこの仕事があるだろうか」と無意識に考える。これは、退職するまでの数年間、ずっと続きました。月末の更新確認の連絡が来るまで、肩のあたりに見えない重しが乗っていたような感覚——分かる方には分かる感覚だと思います。

5.2 リーダーから作業者へ、責任の範囲が変わって楽になった話

5.2 リーダーから作業者へ、責任の範囲が変わって楽になった話

ところが、この働き方には、思いがけない楽さもありました。これは、世の中の60代向け仕事記事ではあまり語られない視点だと思いますので、丁寧に書かせてください。

正社員時代、私はプロジェクトリーダーをしていました。チームの管理、お客さんとの折衝、トラブル時の責任——重い役割でした。派遣になってからは、リーダーは派遣会社経由で派遣先のお客さんが探してきてくれるので、私は作業者としてアサインされたんですね。

責任の範囲が、はっきり言って、狭くなったんです。これを「降格」と捉える同世代の方もいます。気持ちは、よく分かります。私も最初の数日はそう感じました。けれど一週間も経つと、「こんなに楽だったのか」と感じている自分に気づきました。作業に集中できるという解放感は、想像以上だったんですね。

世の中の60代向け仕事記事は「やりがい」「裁量」「責任」を称揚するものばかりです。でも、60代になると「責任の範囲が狭くなる仕事」のほうが、気が楽で続けられる——これは、当事者にしか書けない正直な感覚だと思います。胸を張って言いますが、これは負けでも妥協でもありません。戦略です。現役時代に十分やり切った人だからこそ言える、選択の言葉です。

5.3 テレワークが、60代の私を救った

5.3 テレワークが、60代の私を救った

派遣で働けた期間の大半が、コロナ禍と重なって、ほぼテレワークでした。これは結果的に、60代の自分にとって救いでした。

  • 通勤の体力消耗がない(朝の満員電車に立ち続ける負荷ゼロ)
  • 人間関係の煩わしさが最小限(必要な会議だけ、画面越しで完結)
  • 自分のペースで作業できる(昼休みに少し横になる、ということが許される)

もし、毎日満員電車で通勤しなければならない正社員のままだったら、たぶん65歳まで持たなかった、と今は思っています。働き方の形が、自分の体力に合っていた。これも、運の要素が大きかったんですね。

派遣エンジニアという働き方の特徴を、整理しておきます。

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項目メリットデメリット
契約期間短期で区切れる、合わなければ更新せず終了1ヶ月更新の緊張感、長期計画が立てづらい
責任の範囲作業に集中できる、精神的に楽裁量は限定的、決裁権なし
働き方テレワーク中心の現場が増えている派遣先の方針に左右される
収入時給ベースで明朗、残業代もつく退職金・賞与なし、社保の扱いに注意
人間関係距離感が一定、深入りしない正社員との見えない壁を感じる場面も

派遣って怖くないっすか?1ヶ月更新とか、メンタル削られそうなんですけど。コスパ悪くね?

タケシくん、正直に言うと、緊張感はあるよ。でもね、責任の範囲が狭くなって楽になった面もあるんです。重い役職を降りて作業に集中できる解放感は、想像以上でしたね。20代と60代じゃ、欲しいものが違うんですよ。

6. 65歳で、限界がきた日

6. 65歳で、限界がきた日

6.1 父の件を引きずっていた中で、母の件

6.1 父の件を引きずっていた中で、母の件

派遣として数年働き、定期的に契約更新をもらいながら、退職へと向かう日々が続いていました。直接の引き金は、家族の出来事の重なりです。

少し前に父を見送り、その整理がまだ自分の中で終わっていない時期に、母に介護が必要な症状が出始めました。父の件を引きずる中で、母の介護が始まる。当時の自分は、仕事を続けながら、これに対応していました。

正直に書きます。ある意味、自分の限界が近かったのだと思います。父の喪失感、母への対応、年齢的な体力の落ち、派遣契約の緊張感——全部が同時に乗っていた数ヶ月でした。仕事帰りに母の家に寄って、台所の流しに溜まった食器を黙って洗っている時、ふと自分の手元が止まる瞬間があったのを覚えています。

このあたりの話は、別記事のにも書いていますので、よろしければ合わせてどうぞ。仕事と介護の同時進行は、想像以上に重い——これは、これから同じ立場になる方への、率直な警鐘です。

6.2 医師の助言で、数ヶ月の休養

6.2 医師の助言で、数ヶ月の休養

そんな時期に、体調を崩しました。具体的な症状は伏せますが、医師の診断で「しばらく仕事を休んだほうがいい」という判断になりました。

派遣会社の規程上、仕事ができない状態が続けば、契約は終了です。診断書を提出し、退職という形になりました。これが、私の60代前半までの仕事人生の、ひとまずの区切りです。

「もっと頑張れば、続けられたのではないか」と、退職直後は思いました。長年仕事をしてきた人間にとって、自分の意思と関係なく仕事を離れるのは、思っていた以上に堪えるものなんです。けれど、医師にも「これ以上は危ない、しっかり休むべき」と言われ、家族にも同じことを言われました。今振り返れば、あの判断は正しかったと思います。無理を続けて、後で取り返しのつかないことになるよりは、ずっと良かった。

休む勇気も、60代の戦略のひとつです。これは、苦い経験から学んだ、私からの一番の伝言かもしれません。

7. ハローワークに戻った日

7. ハローワークに戻った日

7.1 数ヶ月の休養を経て、再びハローワークへ

7.1 数ヶ月の休養を経て、再びハローワークへ

数ヶ月の休養を経て、「働ける」という医師の診断書を持って、ハローワークに向かいました。失業手当の申請のためです。

ハローワークは初めての場所ではありません。前の派遣会社も、ハローワーク経由で見つけていました。それでも、この日の足取りは重かった。理由は、特定理由離職者として認定してもらえるか、緊張していたからです。

特定理由離職者として認められると、失業手当の待機期間や給付制限の扱いが、自己都合退職より有利になります。経済的にも精神的にも、これは大きいんですね。私の場合、家庭の事情が色々と重なって体調を崩したという事情があり、これが認定対象に該当するかどうか、自分では判断できませんでした。

7.2 「もう働けます」と説明した日

7.2 「もう働けます」と説明した日

ハローワークの相談窓口で、家庭の事情と体調を崩した経緯、そして医師から「もう働ける」と診断された経緯を、率直に説明しました。

職員の方は、親身になって聞いてくれました。判断に時間がかかるかと思いましたが、その場で必要な書類を確認し、診断書も合わせて、特定理由離職者の認定手続きを進めてくれました。

そして無事に認定。1日あたりの失業手当の概算金額もその場で教えてもらえて、本当に一安心しました。「これで、しばらくは生活が回せる」という具体的な見通しが立った瞬間です。緊張で固まっていた肩から、ようやく力が抜けました。

7.3 ハローワークは、思っていたより親身です

7.3 ハローワークは、思っていたより親身です

ハローワークについては、世間にいろいろなイメージがあると思います。「役所だから事務的だろう」「冷たくあしらわれるだろう」と身構えていく方もいらっしゃるかもしれません。けれど、少なくとも私が体験した範囲では、まったく違いました。受付から相談まで、本当に丁寧に対応してもらえたんです。

事情を率直に話せば、職員の方は、制度の中で使える選択肢を一緒に探してくれます。これが、ハローワークが本当に意味のある場所だと感じた最大の理由です。

特定理由離職者制度は、いわゆる「重い病気」だけが対象ではありません。意外と幅広い理由で認定されるんですね。

特定理由離職者の認定対象になりうる事情の例
  • 本人の体調不良・疾病による離職(医師の診断書を提出)
  • 家族の介護・看護が必要になり、働き続けることが困難な離職
  • 配偶者の転勤に伴う転居で、通勤が著しく困難になった離職
  • 職場でのいじめ・嫌がらせ、上司との大きなトラブルによる離職
  • 有期雇用契約の更新を希望したが、雇用主側から更新されなかった離職
  • その他、正当な理由のある自己都合退職と認められるもの

※認定の可否は個別判断です。「自分は対象にならないだろう」と思い込まず、まずハローワークの窓口で相談してみることをおすすめします。

「自分は対象にならないだろう」と思い込んで申請しないのは、本当にもったいない。まず相談してみる。これが、60代がハローワークを使い倒す第一歩です。

ハローワーク、私も行ってみようかしら。なんだか敷居が高くて、ずっと避けてたのよね…。

テルさん、相談だけでも価値がありますよ。事情を率直に話せば、職員の方が制度の中で使える選択肢を一緒に探してくれます。電話予約も可能ですので、混雑する時間帯を避けて行けますね。「使う人だけの味方」——これが、私の実感です。

8. 失業手当が振り込まれた朝

8. 失業手当が振り込まれた朝

8.1 認定日から2日で振り込まれた

8.1 認定日から2日で振り込まれた

認定日に手続きを終えて、「1週間以内に振り込まれます」と説明を受けました。実際には、認定日から2日後に振り込みがありました。予定より早く、口座の残高表示を見た時の安堵感は、今でも覚えています。

本当に振り込まれた」——これが最初の感想でした。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、退職して収入がゼロになった60代にとって、最初の振り込みには、特別な意味があるんです。お金そのものというより、「自分は社会の中にまだ位置がある」という確認のような感覚に近かったですね。

8.2 大切に使おう、と思った瞬間

8.2 大切に使おう、と思った瞬間

二つ目の感想は、「大切に使おう」でした。失業手当は、現役時代に自分が払ってきた雇用保険料が原資です。自分が積み立てた制度から戻ってきている、という感覚があります。

同時に、現役世代の払う雇用保険料も含まれています。「今の現役世代に支えられている」という感覚も、強くありました。だからこそ、無駄にせず、次の収入の柱を作るために使おう——その時、そう決めました。

このあたりの「お金の組み立て方」は、別記事ので詳しく書いていますので、よろしければそちらもどうぞ。仕事と家計は地続きです。

9. 60代の仕事探しの現実、整理します

9. 60代の仕事探しの現実、整理します

9.1 「年齢不問」を真に受けない、ただし諦めない

9.1 「年齢不問」を真に受けない、ただし諦めない

ここからは、私の体験を踏まえて、60代の仕事探しの現実を一般化して整理します。

まず、「年齢不問」の実態は、冷静に見ましょう。求人票の文言と、実際の募集ニーズが別物のことは、残念ながら少なくありません。期待値を調整する。これだけで、不採用通知が来た時のダメージは半分に減ります。

ただし、諦めないこと。年齢を実質的に問わない仕事は、確実に存在します。派遣、専門職、知人ツテ。私の派遣会社からの連絡も、その一例です。「ある」ことを前提に、入口を増やしていく。これが基本姿勢です。

9.2 ハローワークは「使う人だけの味方」

9.2 ハローワークは「使う人だけの味方」

ハローワークは、使い倒しましょう。私が体験した範囲で、ここまで親身に対応してくれる窓口は他にありません。主なサービスを早見表にまとめます。

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サービス内容こんな人に
失業手当の手続き離職票を持参して認定手続き退職直後の方
特定理由離職者の認定体調・介護・転居・職場トラブル等で待機・給付制限を有利に自己都合扱いで悩んでいる方
職業相談マンツーマンで進路相談、求人紹介方向性が見えない方
職業訓練無料または低額で再訓練、給付金付きの場合あり新しい技能を身につけたい方
セミナー・面接対策履歴書・面接の指導、無料応募が決まらない方
求人検索民間求人サイトに出ない地元求人あり近場で働きたい方

「相談だけ」でも歓迎してくれます。電話予約をして、混雑時間を避けて、まずは様子見で行ってみる——これだけで、視界が一気に開けることがありますよ。

9.3 派遣・パート・業務委託・ネット収入——複数の入口を持つ

9.3 派遣・パート・業務委託・ネット収入——複数の入口を持つ

結論を繰り返します。入口は1つだけにしないこと。時間軸の違う複数の入口を、同時並行で動かす。「正社員でなければ意味がない」という呪縛から自由になる。これが60代の戦略です。

私自身、現在はハローワークで求職活動をしながら、ブログでネット収入の柱を立ち上げている最中です。短期の収入確保(求職活動)と、長期の柱作り(ブログ)は、時間軸が違うので両立できます。同じ時間軸で同じ方向だけ向くと、すぐ行き詰まります。

10. AIに代替される側、AIを使う側

10. AIに代替される側、AIを使う側

10.1 IT業界で見ている、自動化の現実

10.1 IT業界で見ている、自動化の現実

少し、技術寄りの話をさせてください。私が長年いたIT業界では、最近の数年で、AIによる自動化が現実のものになりつつあります

特に、コーディング(プログラミング)の領域は、詳細設計書をきちんと書けば、実装はAIで十分になりつつあります。私自身、現役時代の終盤に試してみて、「むしろAIのほうが、人間より抜け目なくコードを書く」と感じる場面もありました。長年の技術者としては、複雑な気持ちです。

もう少し詳しく:AIによるコーディング自動化の流れ

近年は、コードを書くだけでなく、AIが作ったプログラムを別のAIがテストする、という流れも出てきています。レビューやドキュメント作成も、AIで下書きを作って人間が最終確認する形が当たり前になりつつあります。私が現役時代に当たり前にやっていた工程の多くが、AIに置き換わりつつあるのは事実です。

ただし、これは「人間がいらなくなる」という話ではありません。「AIに何をさせるかを決める人間」と「AIの出力を判断する人間」は、依然として必要です。問題は、その役割をどの世代が担うか、ということです。

10.2 だから私は、AIを使う側に回りました

10.2 だから私は、AIを使う側に回りました

これは、エンジニアとしては寂しい話です。でも、寂しがっていても何も始まりません。私が出した結論は、「AIに代替される側ではなく、AIを使う側に回る」でした。

最初にChatGPTを試したのは、数年前です。当時は「ネット検索が上手な、流行のおもちゃ」くらいの印象でした。でも、それから数年、複数のAIが競い合うように進化し、今では生活で普通に使える、相談相手にまでなりました。

調べ物のスピードが、劇的に変わりました。以前は自分でネット検索を繰り返して情報を集めて整理していたものが、AIに壁打ちすれば、精度の高い回答がすぐに返ってくる。時短効果は、想像以上です。文章のたたき台、難解な書類の翻訳、新しい分野の概要把握——全部、AIが助けてくれます。

このブログも、AIに支えられて書いています。アフィリエイト収入を目指す、近い将来の収入の柱を作るための実験です。60代こそ、AIを使うべき——これが、私が今、最も強く伝えたいメッセージのひとつです。

11. これから育てたい、ネット収入の柱

11. これから育てたい、ネット収入の柱

11.1 ブログから始める理由

11.1 ブログから始める理由

ネット収入と聞くと、YouTubeや投資や物販を思い浮かべる方が多いと思います。私も最初はそう考えました。けれど、60代がまず手をつけるなら、私はブログをすすめます

理由は3つ。

  • 文字が一番、自分のペースでやれる。撮影もマイクも要らない。腰痛や老眼に悩む60代でも、座って書ける
  • 長年のキャリアで、文章を書く訓練を積んでいる。エンジニアでも事務でも、報告書や提案書を書いてきた人なら、文章の素地はすでにある
  • 失敗しても損失が小さい。サーバー代と時間の投資のみ。物販のように在庫を抱えない

11.2 ブログから派生させる選択肢

11.2 ブログから派生させる選択肢

ブログ単独で考えなくていいんです。書いた記事を素材として、徐々に派生させていきます。私自身が、こんな段階を意識しながら動いています。

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段階取り組み狙い
第1段階ブログ記事の蓄積自分の経験を文字資産として固定
第2段階X(旧Twitter)で記事の発信読者の流入経路を増やす
第3段階YouTube・4コマ漫画など派生形態文字以外の入口で読者層を広げる
第4段階Kindle・noteでコンテンツ販売蓄積した記事をパッケージ化して収益化
第5段階Webライティング・コンサル独自性が出てから検討(AIとの単価競争を避ける)

第5段階のWebライティングを後回しにする理由は、AIの登場で文章の単価が下がっているからです。誰でも書ける記事は、AIで十分。だから、自分の独自性(年齢・経歴・体験)が出てから、満を持して切り出す。これが、AI時代の60代の戦略です。

11.3 「5年後の自分」を意識する

11.3 「5年後の自分」を意識する

率直に書きます。5年後、今より老化している自分を意識すると、少し焦ります。65歳の今ですら、画面を長時間見続けると目の奥が重くなる。70歳の自分が、今と同じペースで動けるとは思えません。

だからこそ今、動ける今のうちに、継続できる柱を作っておきたい。「5年後の自分への投資」——この言葉を、自分に言い聞かせながら毎日キーボードを叩いています。焦りは敵ではなく、原動力なんです。

12. 60代の仕事探し、私が伝えたい3つのこと

12. 60代の仕事探し、私が伝えたい3つのこと

12.1 全勝期は終わった、それでも需要はある

12.1 全勝期は終わった、それでも需要はある

50代までの全勝感覚は、もう戻りません。これは、認めるしかない事実です。けれど、需要はゼロではありません。私自身、奇跡的にではあれ、派遣で働けた数年がありました。「景色が変わった」という現実を受け入れた上で、新しい入口を探す。これが第一歩です。

12.2 ハローワークは、思っているより使える

12.2 ハローワークは、思っているより使える

「役所だから期待していなかった」が、実際は親身に対応してくれた。特定理由離職者制度のような、知らなければ使えない仕組みもあります。「使う人だけの味方」——制度は、知っている人だけが得をする世界です。

12.3 体力と心の限界は、早めに認める

12.3 体力と心の限界は、早めに認める

無理して続けて、後で取り返しのつかないことになるよりは、早めに休む選択のほうが正解だった——これが、私の一番苦い、けれど一番大切な教訓です。警備員の説明会を断った話も、医師の助言で休養した話も、根は同じです。休む勇気も、60代の戦略のひとつ。これだけは、声を大にしてお伝えしたいんですね。

13. よくある質問(FAQ)

13. よくある質問(FAQ)
60代でも本当に仕事はありますか?

あります。ただし、入口の形が変わります。正社員一本で考えると厳しいですが、派遣・パート・業務委託・ネット収入の組み合わせで考えると、選択肢はぐっと広がります。「正社員でなければ意味がない」という前提を一度外して、複数の入口を同時並行で動かしてみてください。

ハローワークと求人サイト、どちらを使うべき?

両方使うのがおすすめです。ハローワークは、民間求人サイトには出ない地元求人と、相談機能、制度サポート(特定理由離職者の認定など)が強み。求人サイトは速報性と手軽さが強み。役割が違うので、片方に絞らないほうがいいですね。

特定理由離職者の認定を受けるには?

まずハローワークに相談することです。診断書や事情を示す書類を持参すると話が早く進みます。認定対象は、体調不良、家族の介護、配偶者の転勤、職場のいじめなど、想像より幅広いです。「自分は対象にならないだろう」と自己判断せず、まず職員の方に確認するのが最短ルートです。

派遣で働くことの不安をどう乗り越える?

1ヶ月更新の緊張感は、確かにあります。ただし、責任の範囲が狭くなって楽になるというメリットもあります。重い役職を降りて作業に集中できる解放感は、現役時代に十分やり切った60代だからこそ味わえる感覚です。緊張感は「体力配分の調整役」と捉え直すと、少し楽になりますよ。

年齢を理由に面接で落とされた時、どうすれば?

「自分の問題」ではなく「市場の構造の問題」と切り分けてください。落ちたところは「合わなかった」だけ。スキルが落ちたわけでも、人格を否定されたわけでもありません。次の入口を探す。複数の入口を同時並行で動かす。これだけで、不採用通知のダメージは半分に減ります。

60代でAIを学び直すのは遅くないですか?

遅くありません。ChatGPTのようなAIを「相談相手」として使うところから始めれば十分です。元エンジニアでなくても、文章で会話できる方なら、誰でも使い始められます。難しい技術書を読む必要はありません。「これを丁寧な文章にしてください」「この制度を簡単に説明してください」と話しかけるだけで、十分に効果があります。

14. まとめ 明日からの3つの行動

14. まとめ 明日からの3つの行動

14.1 60代の仕事探しで覚えておきたい7つのポイント

14.1 60代の仕事探しで覚えておきたい7つのポイント

長い記事になりました。最後に、覚えていただきたいポイントを7つに絞ります。

  • 全勝期は終わった、でも需要はある
  • 「年齢不問」を真に受けず、期待値を調整する
  • ハローワークは思っているより使える
  • 派遣・パート・業務委託・ネット収入の複数の入口を持つ
  • 体力と心の限界は早めに認める
  • AIに代替される側ではなく、AIを使う側に回る
  • 5年後の自分への投資を、今日から始める

14.2 明日からの「最初の一歩」3パターン

14.2 明日からの「最初の一歩」3パターン

いくら考えても、動かなければ景色は変わりません。明日から——いえ、今日からでもできる、最初の一歩を3パターンに分けてお渡しします。

📝 パターンA:まず相談したい方

ハローワークに「相談だけ」で行ってみましょう。電話予約も可能です。混雑時間を避ければ、ゆっくり話を聞いてもらえます。特定理由離職者の認定を受けられそうな方は、必ず。手続きの早さで、生活の安心感が大きく変わります。

📞 パターンB:複数の入口を作りたい方

派遣会社2〜3社、シニア向け転職サイト2〜3つに登録してみましょう。これだけなら、1日で完結します。「呼ばれる側」のチャネルを増やしておくと、奇跡的なオファーが届く確率が上がります。私の派遣会社からの連絡も、複数登録していたから来た一通でした。

🛡️ パターンC:ネット収入の入口を作りたい方

noteかブログのアカウント開設を、今日30分でやってしまいましょう。記事を書くのは、明日からで構いません。アカウントを作るところまで進めば、もう「やっていない人」ではなくなります。5年後の自分への投資は、今日のこの30分から始まります。

14.3 最後に、ヒロから一言

14.3 最後に、ヒロから一言

60代の仕事探しは、50代までと景色が違います。それは事実です。でも、「自分の市場価値が落ちた」のではなく「市場の構造が変わった」——この区別さえつければ、戦い方は見えてきます。同じ場所に立った先輩として、隣を歩くつもりで応援しています。

仕事と家計は地続きです。失業手当の使い方や、年金との組み合わせ、これからの収入の柱の作り方については、こちらに書いていますので、こちらも合わせてお読みいただけたら嬉しいです。

長い記事を、最後までお読みいただいてありがとうございました。あなたの明日が、ほんの少しでも軽くなりますように。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

本記事の注意事項(免責事項)

最後までお読みいただきありがとうございました。本記事の内容は筆者の個人的な見解や体験に基づくものであり、読者様の状況や環境によって最適な答えは異なります。情報を参考にされる際は、必ずご自身の判断でご活用ください。当ブログの情報を利用したことによるいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

この記事を書いた人

あすのヒロ/65歳。40年以上を業務系システム開発のエンジニアとして過ごし、派遣エンジニアとして60代前半まで現役を続けたのち、第一線を退きました。現在は、AIを武器にネット収入の立ち上げに挑戦中。年金、退職、家族の介護を経て見えてきた60代のリアルを、同世代の方に向けて綴っています。週に一度、母とケーキを食べる時間が、今の小さな楽しみです。

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