64歳11ヶ月で退職した理由 基本手当と年金の境目で起きたこと

本記事の作成には一部AIを使用しています。内容は運営者が確認・編集のうえ掲載しています。
00_アイキャッチ_64歳11ヶ月退職と基本手当の現実

※本記事掲載の画像はイメージです。実際と異なることがあります。

※本記事掲載の画像はイメージです。実際と異なることがあります。

はじめに

「私は64歳11ヶ月で会社を辞めました。ハローワークで初めて『失業給付』の窓口に座ったのは、65歳になった直後でした」――こう書くと、まるで全部を計算ずくで動いた人の物語に聞こえるかもしれません。でも、正直に言うとそうではないんです。

退職の時期は、確かに自分なりに考えて決めました。けれども、ハローワークに行く日が65歳の誕生日のあとにずれ込んだのは、半分以上が「成り行き」でした。会社からの離職票がなかなか届かなかったんですね。今になって振り返ると、その「届かなかった日々」が、結果として年金との関係を整えてくれた——そんな気もしています。

この記事は、制度の解説書ではありません。「64歳11ヶ月で会社を辞めて、65歳になってからハローワークの窓口に座った人間」が、書類を集め、説明会に出て、認定日に通い、ブログのことまで担当者に相談した――その当事者としての記録です。

退職を控えている方、あるいは退職した直後でこれから手続きを始める方。「64歳と65歳のどちらで辞めるべきか」「失業給付と年金は同時にもらえるのか」「ブログや副業をしていたら申告は要るのか」――その手の検索を何本か読み続けて、それでも結論が見えない、という方に向けて書きました。

あらかじめお伝えしておくと、この記事に「絶対これがお得です」という言い切りはありません。なぜなら、私自身が手続きを終えた今でも、自分の年金額の内訳が「明細単位では見えない」ところがあるからです。制度は仕組みとしては理解できても、自分のケースの数字を全部追えるわけではない――その正直な感触も含めて、お伝えします。

なお、退職後の「次の働き方」については、別の記事で書きました。60代の仕事探しのリアルに、AIを使う側に回り直すきっかけまで含めて書いてありますので、よければ合わせてお読みください。

【はじめに読んで下さい】(免責事項)

【免責事項】

1. 記事の内容について
本記事は、筆者(ヒロ)の実体験や調査をベースに構成していますが、読者の皆様に分かりやすく解説するため、また筆者の家族・親族・関係者のプライバシーを保護するため、地名・施設名・金額・時期・人物の細部などを一部ぼかしたり、一般的な事例を織り交ぜたりしています。すべての記述が筆者の個人的な事実そのままとは限りません。

2. 情報の正確性について
掲載している情報(制度・手続き・商品・サービス内容、IT機器の仕様や設定手順など)は、執筆時点での正確性を期しておりますが、その後の法改正・制度変更・アップデート等により、最新性や完全性を保証するものではありません。

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介護保険サービスの利用条件、健康保険の給付、医療費の自己負担額、要介護認定、成年後見制度の運用などは、お住まいの自治体、ご本人の要介護度、世帯の所得状況等によって大きく異なります。実際のご判断にあたっては、管轄の市区町村(介護保険窓口)、地域包括支援センター、主治医、ケアマネジャー、家庭裁判所、弁護士・司法書士等の専門家にご自身の状況をご相談ください。

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退職金の運用、預貯金の管理、保険の見直し、固定費の節約等のお金に関する情報は、ご自身のライフプランや資産状況、リスク許容度によって適切な選択が大きく異なります。実際の判断にあたっては、金融機関の窓口や公認ファイナンシャルプランナー(CFP/AFP)等の専門家にご相談の上、ご自身の判断と責任において進めてください。なお、本記事は特定の金融商品への投資を勧誘・推奨するものではありません。

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目次

1. なぜ64歳11ヶ月で退職して、65歳になってから手続きをしたのか

1. なぜ64歳11ヶ月で退職して、65歳になってから手続きをしたのか

結論から言うと、「64歳11ヶ月で退職する」という選択と「65歳になってから手続きを始める」という選択は、別の話です。前者は失業給付の種類を決め、後者は年金との関係に効いてきます。私の場合は、前者は意図的に、後者は偶然そうなった――そういう経緯です。

本章は、この記事のいちばんの肝です。少し長くなりますが、お付き合いください。

1.1 きっかけはYouTubeで見た話

1.1 きっかけはYouTubeで見た話

退職を考え始めた頃、寝る前にぼんやりとYouTubeを眺めていたら、こんな話が流れてきました。「退職するなら、64歳11ヶ月がお得」――。最初は、また何かのキャッチーな煽りだろうと思ったんです。でも、説明を聞いているうちに「いや、これは構造の話だな」と気づきました。

仕組みを要点だけで言うと、こうです(2026年5月時点)。雇用保険の失業給付は、離職時の年齢で大きく扱いが分かれる仕組みになっています。

  • 64歳までに離職 → 基本手当(一定日数を分割で受給)
  • 65歳以降に離職 → 高年齢求職者給付金(一時金)

多くの方の場合、受給総額で見ると基本手当のほうが大きくなるとされています。つまり、退職日が65歳の誕生日の直前か直後かで、もらえる失業給付の種類そのものが切り替わる、ということなんですね。

ここでよく考えていただきたいのが、「数日早く辞めるだけで扱いが変わる」という事実を、退職前に知っているかどうか。これだけで、その後の家計の動き方が変わってきます。会社の総務の方が、定年退職者一人ひとりに「あなたの場合は基本手当ですよ」と教えてくれるとは限らないんです。制度は、知っている人だけの味方になる。これは私の口癖でもあります。

※ 細かい給付日数や金額の目安は変動しますし、ご自身のケースで決まるものなので、ここでは固定値を書きません。最終的にはハローワークの公式情報や窓口で確認してください。

1.2 もうひとつの仕掛け 基本手当と年金の関係

1.2 もうひとつの仕掛け 基本手当と年金の関係

YouTubeをきっかけに、私はもう一段深く調べることになりました。「ところで、年金との関係はどうなんだろう?」――この問いが、退職の意思を最終的に固める後押しになりました。

仕組みとして、こう整理されています。

  • 65歳前から年金を受け取っている方の場合(特別支給の老齢厚生年金や繰上げ受給など)、基本手当を受給している期間中、その分の年金は調整される仕組みがある
  • つまり、同じ期間に両方を満額受け取れるわけではない
  • ところが65歳以降の手続きになると、老齢厚生年金と基本手当の関係は変わってくるとされている

ここから出てくるのが、こういう組み合わせの考え方です。「64歳までに退職して基本手当の受給資格を確保しておく」+「65歳になってから手続きを始める」――この2つが噛み合うと、基本手当の受給期間中に年金が止まるリスクを避けやすいと言われています。

「言われています」という歯切れの悪い書き方をしているのは、わざとです。次の節で、その理由をお話しします。

1.3 ただし制度はクリアに見えるほどシンプルではなかった

1.3 ただし制度はクリアに見えるほどシンプルではなかった

ここからが、たぶんこの記事のいちばん大事なところです。仕組みとしての話と、自分のケースとして実感できる話は、別物だった――これが、私が手続きを終えてから一番強く思ったことです。

私の場合、生まれ年の関係で「特別支給の老齢厚生年金」が1年分関係していました。年金を早めに受け取る手続きをしたとき、その特別支給の分も含めて、いくつかの要素が混ざり込んだ形で年金額が決まったんです。

窓口で「特別支給は◯◯円ですね」「繰上げで減った分は◯◯円ですね」――そんなふうに単独の数字を聞いた覚えはありません。総額として「あなたの年金はこれくらいになります」と提示されて、そこに自分が納得するかどうかを判断した、という流れでした。

ですから「両取りできた」と言い切れる感覚は、正直、私にはないんです。何がいくらだったのか、明細単位ではよくわからないまま手続きが進んでいった、というのが当事者としての本音です。

これを書いておく理由は、はっきりしています。「64歳11ヶ月退職→65歳手続きが万人に最適」という単純化された話を、読者の方に手渡したくないからです。年金は、ご自身の生年月日・性別・働き方・繰上げの有無――そういった条件で計算が複雑に変わります。最近の世代では、特別支給の老齢厚生年金の対象にならない方も多いと聞きます。繰上げ受給をしていれば、減額の影響もそこに乗ってきます。

ですので、自分の年金の構造は必ず年金事務所で確認してください。これは、ネット記事や動画で代替できるものではありません。担当の方に、ご自身のケースを直接ぶつけて、ご自身の数字を出してもらう。これが結局いちばん確実です。

特別支給の老齢厚生年金とは(参考)

かつて60歳から年金を受け取れた仕組みの名残として、生年月日・性別の条件を満たす方に65歳前から支給される老齢厚生年金のことを、便宜的にこう呼びます。対象者は徐々に縮小しており、最近の世代では対象外の方が多いです。ご自身が対象かどうかは、必ず年金事務所で確認してください。

1.4 私の場合は偶然と意図が重なった

1.4 私の場合は偶然と意図が重なった

では実際、私はどう動いたのか。順番に振り返るとこうなります。

64歳11ヶ月で退職する、という選択は意図的でした。YouTubeで見た話を頭に置いて、自分なりに「ここで辞めれば基本手当の枠に入れるな」と判断した結果です。会社との関係や引き継ぎのタイミングも調整しました。

一方で、65歳になってからハローワークで手続きを始めたのは、半分以上偶然でした。退職後しばらくして「そろそろハローワークに行こうかな」と思っていたところ、肝心の離職票が会社からなかなか届かなかったんです。問い合わせをして、受け取って、書類を揃えて……としているうちに、気がつけばカレンダーが65歳の誕生日を過ぎていました。

後から振り返れば、その「離職票が遅れた」という偶然のおかげで、年金との調整を避けやすい組み合わせが結果的に成立した――そういうことになります。けれども、最初からそこまで読んで動いていたわけではありません。運の要素は、正直、大きかったです

私はエンジニアの世界で40年以上やってきた人間ですが、人生の段取りまでロジカルに完璧に組めるかというと、そうでもないんですよ。「半分計算、半分成り行き」――それが現実の60代の動き方なのかもしれません。

ヒロおじさん、64歳11ヶ月って細かすぎない?1ヶ月くらい誤差じゃないの?

実はね、その1ヶ月で、もらえる失業給付の種類が変わるんですよ。さらに手続きを65歳になってから始めると、年金との調整も避けられる場合がある、というわけです。

えっ、そんなの誰が教えてくれるのかしら?

会社は教えてくれないんですよ、テルさん。自分で調べて、年金事務所とハローワークで確認するしかない。それも、明細のどこに何が乗っているかまで全部わかるとは限らない――というのが正直なところです。

2. 申請に必要な書類とハローワーク初回訪問

2. 申請に必要な書類とハローワーク初回訪問

制度の話が続いたので、ここからは「で、結局何を持って、どこに行くの?」という実務の話に切り替えます。意外と書類が多いので、退職前から少しずつ揃えておくのがおすすめです。

2.1 持っていく書類は何か(2026年5月時点)

2.1 持っていく書類は何か(2026年5月時点)

まず、初回訪問でハローワークに持っていく書類です。2026年5月時点での目安として、以下を準備しておくと安心です。

  • 雇用保険被保険者離職票(離職票1・2):会社から後日郵送されるもの
  • マイナンバー確認書類:マイナンバーカード、または通知カード+本人確認書類
  • 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカードなど(顔写真付き)
  • 証明写真:規定枚数・サイズ。最近はマイナンバーカード提示で省略できる場合あり
  • 印鑑:最近は不要なケースも増えています
  • 振込口座のわかるもの:通帳やキャッシュカード

「これだけ揃えればOK」と書きたいところですが、運用は時期や地域で少し違うことがあります。たとえば証明写真の省略ルール、印鑑の要否、マイナンバーの提示方法――こういった細かい部分は、ご自身のハローワークの公式案内で最終確認をしてください。「行ったら足りなかった」が、いちばん時間の無駄になります。

2.2 離職票がなかなか届かなかった話

2.2 離職票がなかなか届かなかった話

書類リストの中で、ご自身では準備できないのが離職票です。これは会社から後日郵送されてきます。問題は、この離職票がすぐ届くとは限らないということなんです。

一般的には退職後、数日から数週間で届くと言われています。ただ、会社の事務処理のタイミングや、社内の書類の流れによって、もう少し時間がかかることもある。私の場合がまさにそれでした。

退職してしばらく、自宅のポストを毎日のぞきました。チラシしか入っていない郵便受けを見るたび、最初は「まあ、そのうち来るだろう」と思っていたんです。それが2週間を過ぎたあたりから、だんだん落ち着かなくなってきまして。机の上のカレンダーに目をやって、「あれ、もう65歳の誕生日近いな」と気づいた時の、あの胃の奥がじわっとする感じ。同世代の方なら、なんとなくわかるのではないでしょうか。

結局、私は会社の総務に問い合わせをして、ようやく離職票を受け取りました。書類を揃えてハローワークに向かう日には、もう65歳の誕生日を過ぎていた、というわけです。

これが結果として、第1章でお話しした「年金との調整を避けやすい組み合わせ」につながったわけですから、運というのは不思議なものですね。とはいえ、当時の私はそんな先のことまで考えていません。「ただただ、書類が早く来てくれ」と思っていただけです。

離職票って、会社から自動で来るものなの?

基本は自動で郵送されるはずなんですよ。でも、僕の場合は時間がかかりました。問い合わせをして、やっと届いた、というのが現実です。来ないからといって、おかしいとは限らないんです。

2.3 初回訪問でやることの流れ

2.3 初回訪問でやることの流れ

離職票が届いて書類が揃えば、いよいよハローワークの初回訪問です。「窓口に行って失業給付の申請」と一言で書いてしまうと簡単に聞こえますが、実際には大きく3つのステップがあります。

STEP
求職申込み

「働きたい意思があります」という登録です。失業給付は「次の仕事を探している人」のための制度ですから、まずここから始まります。職歴・希望職種などを記入する用紙をもらいます。

STEP
受給資格決定

離職票やマイナンバーなどを提示し、担当者が「この方は基本手当の受給資格があります」と判断します。ここで、自分のおおよその受給日数や離職理由(自己都合か会社都合か)の扱いが整理されます。

STEP
初回説明会の予約

後日、別の日に「受給説明会」と呼ばれる集合形式の説明があります。その日時を予約して、初回訪問は終わりです。私の場合、この日は窓口で1時間ちょっとだったと記憶しています。

初回は何かと記入することが多いので、できれば午前中の早い時間に行くのがおすすめです。私の地域では、午後になると窓口が混んできて、待ち時間が伸びる印象でした。

3. 受給説明会から認定日までの生活リズム

3. 受給説明会から認定日までの生活リズム

初回訪問が終わると、次のステップは「受給説明会」です。ここから、失業給付を受け取る期間の生活のリズムが始まります。「受給」と書くと一気にお金が入ってくるイメージですが、実際は4週間ごとのちょっとした「節目」を、何度か繰り返していく生活です。

3.1 受給説明会で渡されるもの・聞かされること

3.1 受給説明会で渡されるもの・聞かされること

受給説明会は、同じタイミングで受給資格が決まった方々が集まって行う、集合形式の説明会です。会場では「雇用保険受給資格者のしおり」のような冊子が配られ、担当者が制度の概要を一通り説明してくれます。

「冊子を読めばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、これがけっこう侮れません。担当者が「ここは特に気をつけてください」と強調する箇所には、たいてい受給者がつまずきやすいポイントが詰まっています。私も、この説明会で認定日のスケジュールの組み方求職活動実績の数え方について、ようやく腹落ちしました。

もし「途中で理解が追いつかなかった」と感じたら、説明会のあとに残って、個別に質問できる時間が設けられている場合もあります。私のときは、迷ったところを確認してから帰りました。

3.2 待機期間と給付制限の話

3.2 待機期間と給付制限の話

失業給付は、申請したその日から振り込まれるわけではありません。間に「待機期間」が入ります。これは7日間で、すべての受給者に共通するものです。

そして自己都合退職の場合、待機期間に加えて「給付制限」と呼ばれる支給開始までの待ち時間が乗ります。期間の長さは制度の改正によって変わるので、ご自身の場合の長さは説明会や窓口で必ず確認してください。会社都合退職の場合は、この給付制限がない、というのが大きな違いです。

※ 自己都合・会社都合の判定は、離職理由欄の書き方で揉めることもあります。ご自身の認識と離職票の記載が異なる場合は、初回訪問の際に窓口で相談しておくと、後のトラブルを避けやすいです。

給付制限ってなに?すぐもらえないってこと?それって詰んでない?

タケシくん、それは詰んでないんですよ。自己都合で辞めると、最初の数か月は支給が止まる期間がある――そういう仕組みなんです。会社都合とは扱いが違う。退職前にこれを知っているかどうかで、お金の段取りが変わってきます。

3.3 4週間ごとの認定日のリズム

3.3 4週間ごとの認定日のリズム

給付制限が明けると、いよいよ認定日がスタートします。認定日は4週間に1度のペース。決まった曜日・時間にハローワークに行き、その4週間に「働いていなかったか」「求職活動をしていたか」を申告し、確認を受けます。問題がなければ、その4週間分の基本手当が後日振り込まれる、という流れです。

4週間というリズムは、最初は妙な感じがします。会社員時代は月1回の給料日に身体が同期していましたから、4週間という少しズレた周期に慣れるまでには時間がかかりました。たとえば「先月の認定日と今月の認定日」が必ずしも同じ日付にはならない。月によっては認定日が2回入ることもある――そういう感覚です。

振込までのタイムラグも頭に入れておきましょう。認定日に手続きをして、その日のうちに口座にお金が入るわけではありません。数日後の振込になります。家計の動きを組み立てる時は、このタイムラグを忘れないようにしてください。

3.4 求職活動実績の作り方

3.4 求職活動実績の作り方

認定日に求められるのが、求職活動実績です。受給期間中、認定日ごとに「規定回数以上の求職活動をしました」と報告できないと、その回の基本手当が支給されない可能性が出てきます。これが、いちばん緊張するポイントかもしれません。

「求職活動」と聞くと面接や応募ばかりをイメージしがちですが、実際には次のような活動も実績として認められるケースがあります(細かい運用はハローワークごとに違うので、必ず窓口で確認してください)。

  • 求人への応募・面接
  • ハローワークでの職業相談
  • 職業訓練の説明会への参加
  • 各種資格試験の受験
  • ハローワーク主催のセミナー受講

60代の私たちにとって、20代・30代と同じテンポで応募を重ねるのは正直しんどいんですよね。そこで私の場合は、窓口での職業相談と、関心のあるテーマのセミナーを組み合わせて実績を作りました。「今日はAI関連のセミナーに参加した」「先週はハローワークで再就職についての相談をした」――そういう動き方です。

このあたりの「60代の動き方」は、別の記事にまとめてあります。「会社員のときと同じ就活モードでは続かない」と感じた方は、60代の仕事探しのリアルもあわせて読んでいただけると、リズムの作り方の参考になるかもしれません。

4. ブログ運営と失業給付 私が窓口で聞いた話

4. ブログ運営と失業給付 私が窓口で聞いた話

ここからは、検索でこの記事にたどり着いた方の中でも、特に気になっている方が多いと思われるテーマです。「ブログや副業をしながら、失業給付は受けられるのか?」――結論から言うと、答えは「ケースによる」、そして「窓口で確認するのが結局いちばん安全」です。

はじめにお断りしておくと、これから書くのは「ハローワークの公式見解」ではありません。「私が、私の地域のハローワークで、私のケースについて担当者に聞いた話」です。担当者によって少し違う説明をされる可能性もある、という前提でお読みください。

4.1 大前提:直近4週間の収入と就労を申告する

4.1 大前提:直近4週間の収入と就労を申告する

そもそも失業給付を受給している間は、認定日ごとに「直近4週間の収入と就労」を申告する仕組みになっています。これが大前提です。

気をつけたいのは、申告の対象が「収入があったか」だけではないということです。「働いた時間があったか」も同じく対象になります。たとえばアルバイトで何時間働いたか、その日に給与が発生したか、こういった話です。

細かいルール(労働時間の上限、収入の目安、何時間以上だと「就職」とみなされるかなど)は、制度の改正や運用の変更で変わります。ここで具体的な数字を書くより、ご自身のハローワークで、ご自身のケースを直接確認してもらうほうが確実です。「窓口で聞くなんて面倒くさい」と思うかもしれませんが、ここをサボると、後から「不正受給」の話になりかねません。これは絶対に避けたい。

4.2 ブログを続けるなら 私が窓口で聞いた話

4.2 ブログを続けるなら 私が窓口で聞いた話

では、私のケースです。私は退職前からブログを書いていました。退職後も続けるつもりでしたから、ハローワークの相談窓口でこのことを直接質問してみました。「副業の話はあとから聞かれて困るより、最初に自分から開示しておこう」という、根がエンジニア気質な性格のなせるところです。

担当者から聞いた整理は、要点としてはこういう内容でした。

窓口で聞いた整理(あくまで「私のケース」の話)
  • 広告を貼っていない発信は、趣味の延長として扱える
  • 広告を貼ったら、収益の有無に関わらず、作業時間を申告する必要が出てくる

「お金が入ったかどうか」ではなく「収益が発生する仕組みを置いた時点」が、申告のターニングポイント――というのが私の理解です。広告タグをサイトに貼った時点で、たとえまだクリックがゼロでも、申告の対象になる、というニュアンスでした。

この説明を受けて、私は少し考えました。そして、今のところ私は記事は書いているけれど、広告は貼っていない状態を選んでいます。失業給付の受給期間中は、ブログを「自分の体験を整理する場所」として使い、収益化に動くのは別のタイミング、と決めました。広告を貼るときには、改めて窓口で確認のうえ申告する予定です。

4.3 ここで強調しておきたいこと(担当者差・正直に相談)

4.3 ここで強調しておきたいこと(担当者差・正直に相談)

もう一度、強調しておきます。前の節で書いた「広告を貼る前は趣味、貼ったら申告」という整理は、私が私のケースについて聞いた話です。すべての方に同じ説明があるとは限りません。

窓口で話していて、担当者によって運用の解釈に多少の幅がありそうだな、という印象は私自身も受けました。たとえば「ブログ」と一口に言っても、書いている内容、更新頻度、過去の収益履歴、現在の広告の有無――いろいろな要素が絡みます。だから、画一的な答えにならない領域なんですね。

ですから、読者の方に一番お伝えしたいのは、シンプルにこれです。

結局いちばん安全な方法

自分のハローワークの担当窓口で、自分のケースを正直に話して確認する
これが結局、いちばん安全で、結果として速い方法です。
そして、就職活動しないでブログで生計を立てるつもりでは?と誤解されないこと!

不正受給のペナルティは重いです。ご存じない方も多いですが、不正に受け取った金額を返すだけでなく、その何倍かの追加納付を求められる仕組みがあります。「ばれなければいい」という発想で動くと、後から取り返しのつかない金額の話になる可能性があるんですね。

隠すよりも、正直に相談する方が、遠回りに見えて近道。これは、ITの世界で「バグは早めに表に出した方がコストが下がる」というのと同じ構造の話だと、私は思っています。

ブログの広告を貼ったら申告するのね。お金が入ってからじゃダメなのかしら?

テルさん、お金が入ったかどうかではなく、収益が発生する仕組みを置いた時点で、と聞きました。ただし担当者によって少し違う説明をされる可能性もあるので、結局は自分のハローワークで毎回状況を正直に話して確認するのが確実です。
就職活動しないでブログで生活する気では?と誤解されないことも大切です。

なるほど。正直に行くのが結局いちばん速いってことっすね。

5. 振り返り 失業給付期間は次を考える時間でもあった

5. 振り返り 失業給付期間は次を考える時間でもあった

5章まで読み進めていただいて、ありがとうございます。最後に、手続きを終えてから少し時間が経った今の私が、この一連の経験をどう振り返っているかをお話しさせてください。

5.1 「失業」の言葉の重さを、別の形に置き換えてみた

5.1 「失業」の言葉の重さを、別の形に置き換えてみた

「失業給付」――この言葉は、正直、響きが重いです。「失業」という二文字を見るたびに、「自分は何かを失った人」というラベルを貼られるような気がして、最初は申請をためらう気持ちすらありました。

けれど、認定日に通うようになってしばらくして、私の中でこの言葉のとらえ方が少し変わってきました。失業給付は「失業した不幸への補填」というより、「次の働き方を考える時間を確保するための仕組み」として受け取れるんじゃないか、と。雇用保険料を払い続けてきた長い年月への、ささやかな返礼でもある、と思えるようになったんです。

5.2 64歳11ヶ月退職という選択が結果として生んだもの

5.2 64歳11ヶ月退職という選択が結果として生んだもの

私の場合、この受給期間に何をしていたかというと、ブログを書き、AIを使う側に回り直す勉強を続けていました。元エンジニアの肩書きはあっても、生成AIの世界はここ数年で景色が大きく変わっています。「AIに置き換えられる側」ではなく「AIを使う側」に立ち位置をずらすのに、この期間がぴったりだったんです。

そう考えると、64歳11ヶ月退職という選択は、結果として「次の準備期間を最大化する」意味も持っていたわけです。最初からそこまで設計していたわけではありませんが、振り返ると、知らずに自分への助走期間を長めに取っていた――そういう成り行きだった気がします。

5.3 次の働き方は地続きではない

5.3 次の働き方は地続きではない

60代の働き方は、会社員時代と地続きではありません。これは私が、退職後しばらくしてから強く感じたことです。会社の名刺を返したあとの自分には、肩書きも、月給日も、出社時間もない。代わりに、自分でリズムを作る必要が出てきます。

失業給付の手続きは、その切り替えの第一歩でもあります。窓口に通うこと、認定日のリズムに身体を慣らすこと、求職活動の中で次の自分の働き方を探ること――こういった一連の動作が、会社員モードから「自営業もどき」のモードへの準備運動になるんですね。

「お金の不安」と「次に何をするか」は、本来は別の問題です。同じ場所で考えると、足がもつれます。失業給付の手続きで「お金」の最低ラインを整えたら、もう一方の「次に何をするか」を、別の頭で考え始めるのがおすすめです。次の働き方の具体的な動き方は、別の記事で書きました。60代の仕事探しのリアルもあわせて、参考にしてください。

もうひとつ、退職前後のお金の話を全体像でとらえたい方には、[ピラー記事:60代のお金へ]もご用意する予定です。失業給付・年金・健康保険・住民税――こういった「退職を境に動く費目」を一気にまとめた地図のような記事です。

6. よくある質問

6. よくある質問

本文で詳しく書ききれなかった頻出の疑問を、Q&A形式でまとめました。あくまで2026年5月時点での情報、かつ「私のケースに即した整理」も含みます。最終的な確認はご自身のハローワーク・年金事務所でお願いします。

64歳11ヶ月で退職するのは違法ではないのですか?

違法ではありません。会社の就業規則に従って退職届を出すだけです。ただし、退職時期の調整は会社との関係性にも影響します。可能な範囲で穏やかに、引き継ぎを丁寧に進めるのがおすすめです。

基本手当を受け取り終えた後でも、年金は満額もらえますか?

仕組みとしては、65歳以降の手続きであれば、基本手当の受給期間中の年金との関係は別の扱いになるとされています。ただし、ご自身の年金の構造(特別支給の有無、繰上げの有無など)によって計算が変わってきます。「自分の場合はどうなるか」は、必ず年金事務所で確認してください。

自分の生年月日は、特別支給の老齢厚生年金の対象になりますか?

これは生年月日と性別で決まります。最近の世代では対象外の方も多いです。ご自身が対象かどうかは、年金事務所で確認するのが確実です。ねんきん定期便だけで判断せず、一度直接相談に行くと安心です。

ブログで広告を貼っているのですが、申告は必要ですか?

私が私のケースについて窓口で聞いた話としては、収益の有無に関わらず、収益が発生する仕組み(広告)を置いた時点で申告の対象、とのことでした。ただし担当者により解釈に幅がある可能性もありますので、ご自身のハローワークでご自身のケースを正直に確認するのが、いちばん安全です。

離職票が会社からなかなか届きません。どうしたらいいですか?

まずは会社の総務・人事に問い合わせるのが第一歩です。事務処理の遅れであれば、それで届きます。それでも届かない場合は、ハローワークに相談すれば対応方法を教えてもらえます。「届かない=自分のせい」と思い込まなくて大丈夫です。

7. まとめ

7. まとめ

長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。最後に、今日のお話を箇条書きで整理しておきます。

  • 64歳と65歳の境界線が、基本手当(一定日数を分割で受給)と高年齢求職者給付金(一時金)の分かれ目になる(2026年5月時点)
  • 「64歳までに退職して受給資格を確保」+「65歳になってから手続きを始める」は、基本手当の受給期間中に年金が止まるリスクを避けやすい組み合わせの一つ
  • ただし、年金の内訳は当事者でも明細単位では追えない部分がある。「両取りできた」と単純化しないほうが現実に近い
  • 必要書類は離職票・マイナンバー・本人確認書類・写真・口座情報など。最終確認はご自身のハローワークの公式案内
  • 離職票はすぐに届くとは限らない。届かなくても、自分のせいと思い込まず、会社・ハローワークに相談する
  • 受給期間は4週間ごとの認定日のリズム。求職活動実績は応募だけでなく、相談・セミナー・資格試験などでも作れる場合がある
  • 失業給付期間は、次の働き方を考える助走期間として使える

制度は変わります。担当者の説明にも幅があります。だからこそ、ネットで正解を探すよりも、年金事務所とハローワークの窓口に、自分のケースを持って一度行ってみる。これが、結局いちばん確実で、いちばん早い動き方です。

「制度は『知っている人』だけの味方です」――これは、私が定年前後の経験からたどり着いた一つの実感です。知らないだけで、損をするとは限りません。けれど、知っていれば、選べる選択肢の数が増える。それは間違いない。

この記事が、64歳前後で退職を控えている方、退職直後で手続きを始めようとしている方、そしてブログや副業を続けながら次の働き方を模索しているすべての方の、ささやかな道しるべになれば嬉しいです。

退職後の働き方の続編は60代の仕事探しのリアルへ。退職前後のお金の全体像は[ピラー記事:60代のお金へ]へ、それぞれ続いていきます。

定年は終わりじゃない。第二章の始まりです。一緒に、ゆっくり歩いていきましょう。

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この記事を書いた人

あすのヒロ/65歳。40年以上を業務系システム開発のエンジニアとして過ごし、派遣エンジニアとして60代前半まで現役を続けたのち、第一線を退きました。現在は、AIを武器にネット収入の立ち上げに挑戦中。年金、退職、家族の介護を経て見えてきた60代のリアルを、同世代の方に向けて綴っています。週に一度、母とケーキを食べる時間が、今の小さな楽しみです。

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